新しいメニューやサービスを考えるとき、いつも同じ人と話していると発想が煮詰まります。かといって外部のコンサルタントに頼むほどではない。そういうとき、AIを「量産機」として使う方法が意外と役立ちます。この記事では、実際に試したアイデア出しの手順を紹介します。
AIはアイデアの「量産機」として使う
最初に大切な前提を伝えます。AIのアイデアは「玉石混交」です。20個出させたら使えるのは2〜3個、というのが実感です。
でもそれで十分なんです。自分ひとりで唸っているより、20個の選択肢のなかから絞り込む方が作業として進みやすい。AIを「量産機」として使い、最後に選ぶのは自分、という役割分担が基本です。
「AIが出してくれたから」という理由でアイデアを採用するのは危険です。実際に使えるかどうかは、自分の業種の経験と現場の感覚で判断してください。
飲食店:季節メニューのアイデア出し
飲食店の夏の新メニューのアイデアを20個出してください。
・業態:定食屋(ランチ中心)
・客層:近隣のオフィスワーカー、40〜60代
・現在の主なメニュー:日替わり定食、焼き魚定食、カレー
・予算感:1,000〜1,200円
・条件:仕込みが複雑すぎないこと、夏に食べたいと思えること
バリエーションが出やすいよう、和・洋・麺・丼など形式を分けて出してください。
出てきた20個を見て「これは仕込みが大変すぎる」「原価が合わない」「うちの客層には合わない」と絞っていきます。絞り込んだ候補を3〜5個に絞り、常連さんやスタッフに感想を聞いてから決めるとリスクが減ります。
美容室:新メニューの名前・説明文まで考えてもらう
アイデアが決まったあと、メニュー名やお客さんへの説明文もAIで作れます。
美容室の新メニューの名前とPOP用の説明文を考えてください。
メニュー内容:頭皮ケアを中心とした60分のリラクゼーションコース
ターゲット:40〜50代女性、頭皮のにおいや抜け毛が気になる方
価格:6,500円
雰囲気:押しつけがましくなく、自分を労わりたい気持ちに寄り添う
メニュー名3案、それぞれの説明文(50〜60字)を出してください。
メニュー名は「センスのある名前」を出してもらうより、「伝わりやすい名前」を意識するといいです。凝ったネーミングより「何をするコースか一目でわかる」名前の方が予約に結びつきやすいです。
工務店・リフォーム:プランのパッケージ化
工務店やリフォーム業者では「どんなパッケージプランを作るか」という場面でAIが使えます。
リフォーム会社の「まとめてお得なパッケージプラン」のアイデアを出してください。
・対象:築20〜30年の一戸建てに住む50〜60代夫婦
・予算帯:50〜150万円
・施工のしやすさ:自社が得意な内装・水回りを中心にしたい
・目的:1回の打ち合わせで複数箇所を提案しやすくしたい
5つのパッケージ案と、それぞれの想定金額と含まれる工事内容を出してください。
うまくいかなかった点・AIの限界
AIが知らないのは「現地の商習慣」です。宇都宮であれば「この時期は車での移動が前提」「お盆前は工事を避ける慣習がある」といった地域独自の事情はAIには分かりません。「地域に合わせてアイデアを出して」と言っても、インターネット上の一般的な情報をもとにした提案が返ってきます。
また、食材の原価、仕入れ先の状況、スタッフの技術レベルなど、「うちの現場の制約」もAIには分かりません。アイデアは出してもらえるが、それが「自分の店で本当にできるか」は必ず自分で確認する必要があります。
飲食店で季節メニューのアイデアをAIに出してもらったとき、「食材の調達が難しいもの」「仕込みに時間がかかりすぎるもの」が半数以上含まれていました。絞り込みの段階で現場の目線を入れることが必要です。
まとめと次のステップ
AIはアイデアの量産機です。「なにかいいアイデアないか」と頭を抱えるより、「20個出してもらって3個選ぶ」の方が作業として動きやすい。最後に選ぶのは自分、という役割分担を守れば、アイデア出しの壁打ち相手として十分使えます。
まずは季節メニューかサービスの名称で一度試してみてください。使い慣れてくると、どんな情報を渡すと良いアイデアが出やすいかがわかってきます。
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