「日々の売上集計や顧客管理を、もっと楽に自動化できたらいいのに……」
宇都宮市内の飲食店や美容室、整体院などのオーナー様から、このようなご相談をよくいただきます。専門のシステムを導入する予算はないけれど、エクセルやスプレッドシートの手入力作業からは解放されたい。そんな中小事業者の方におすすめしたいのが、今話題の**「バイブコーディング(Vibe Coding)」**というAI活用法です。
今回は、プログラミングの知識がまったくない方でも、AIとおしゃべりする感覚で自分専用の便利ツールを作る方法を、具体的な事例を交えてわかりやすく解説します。
プログラミングは一切不要!AIと雰囲気で作る「バイブコーディング」とは?
「バイブコーディング」とは、英語の「Vibe(雰囲気・ノリ)」と「Coding(プログラミング)」を組み合わせた言葉です。その名の通り、「こんな感じのツールが欲しいな」とAIにふんわりしたニュアンス(雰囲気)で伝えるだけで、AIが裏側の難しいプログラムを自動で作ってくれる手法を指します。
これまで、オリジナルの業務ツールを作るには、専門のシステム会社に数十万円以上の開発費を払うか、自分で何冊も本を読んでプログラミングを勉強するしかありませんでした。
しかし、ChatGPTなどの生成AIが登場した今、私たちはコード(プログラム)を1行も書く必要はありません。
- 「毎日入力する売上データを、ボタン一つで自動集計シートにコピーしたい」
- 「ホームページにお客様が自分で料金をシミュレーションできる電卓を置きたい」
こうした「やりたいこと」をAIに日本語で相談するだけで、数分で動くツールが完成します。まさにAIと二人三脚で、ノリと勢いでお店専用のシステムを作っていくのがバイブコーディングです。
宇都宮のカフェを例に紹介:日報と売上管理のプチツールをAIと作ってみた
具体的なイメージを持っていただくために、宇都宮の八幡山公園近くにある架空のカフェ「宇都宮テラスカフェ」を例に、Googleスプレッドシートを使った売上自動集計ツールを作ってみました。
このカフェでは、毎日スタッフがスプレッドシートに「日付」「売上」「客数」「今日の天気」を入力しています。 これまでは、別のシートにある「月別集計表」へ、毎日手作業でデータをコピー&ペーストしていましたが、この作業を「ボタンをポチッと押すだけで自動で転記される仕組み」にしてみました。
AIに依頼したこと(プロンプト)
ChatGPTに次のように話しかけました。
「Googleスプレッドシートを使っています。『日報入力』というシートに入力された『日付』『売上』『客数』『天気』のデータを、ボタンを押したら『売上データベース』というシートの最下部に自動でコピーして、入力欄をクリアするスクリプト(GAS)を作ってください。プログラミングの知識がないので、貼り付け方から教えてください」
AIから返ってきた結果
AIはわずか10秒ほどで、プログラムのコードと、それをスプレッドシートに貼り付ける手順を画像付き(丁寧なテキスト解説)で教えてくれました。
指示通りにスプレッドシートの「拡張機能」メニューからコードを貼り付け、シート上に「登録する」という簡易的なボタンを設置したところ、本当にワンクリックで自動転記ができるようになりました。スタッフからも「毎日のコピペ作業がなくなり、スマートに業務を終えられるようになった」と大好評です。
AIにツールを作ってもらうための具体的な手順とプロンプト
実際にバイブコーディングを試してみたい方のために、具体的なステップを整理しました。
ステップ1:作りたいものを頭の中で整理する
難しい要件定義は不要です。「誰が」「どんな画面で」「何をしたら」「どうなってほしいか」を書き出します。
ステップ2:AIに「おしゃべり」感覚で指示を投げる
以下は、そのまま使える汎用的なプロンプトのテンプレートです。ChatGPTやClaudeなどのAIに入力してみてください。
私は宇都宮で[業種、例:整体院]を経営しています。
現在、[現在のツール、例:Excel]で[行っている作業、例:お客様の次回予約管理]を手作業で行っており、効率化したいです。
【作りたいツール】
・[例:ボタンを押すと、今日から1週間以内に予約が入っているお客様を一覧で抽出するツール]
【希望するシステム】
・[例:ExcelのVBAマクロ、またはGoogleスプレッドシートのスクリプト]
プログラミング初心者なので、コードのどこをコピーして、どこに貼り付ければいいかも含めて、中学生でもわかるように教えてください。
ステップ3:教えてもらった通りに設置して動かす
AIが教えてくれる手順に従って、コピー&ペーストを行います。ボタンの作成方法や、初期設定のやり方もAIがすべて指示してくれます。
途中でつまずいたときの「AIへの聞き方」のコツ
バイブコーディングで最も重要なのは、**「エラーや不具合が起きても自分で解決しようとしないこと」**です。
実際に動かしてみると、「エラーコードが表示されて動かない」「思った通りの場所にデータが貼り付かない」といったトラブルが必ず発生します。ここでプログラミングの勉強を始めてはいけません。
詰まったときは、以下の方法でAIにそのまま丸投げしてください。
- 画面に表示されたエラーメッセージをそのままコピーする
- AIに「指示通りにやったら、こんなエラーが出ました。どう直せばいいですか?」と貼り付ける
たとえば、スプレッドシートの実行権限エラーが出た場合も、「承認が必要ですというポップアップが出ました」とそのままAIに伝えれば、「それは仕様なので、以下の手順で許可ボタンを押してください」と優しく教えてくれます。
人間がやるべきことは「出来上がったものが意図通りに動いているかテストすること」と「不具合をAIに報告すること」だけです。このループを数回繰り返すだけで、確実に動く自分だけの業務ツールが完成します。
まとめ
これまではシステム開発といえば大掛かりなものでしたが、AIの力を借りる「バイブコーディング」を活用すれば、宇都宮の中小事業者でも、今日から、無料で、自社専用の業務効率化ツールを作ることができます。
まずは「スプレッドシートのちょっとした自動化」や「Excelの簡単なマクロ」など、身近な小さな困りごとからAIに相談してみてはいかがでしょうか。AIと一緒に試行錯誤しながらツールが完成したときの喜びは、一度体験すると病みつきになりますよ。
MEO・SNS・AI活用について相談したい方は、お気軽にご連絡ください。