飲食・美容・整体など、お客様と直接やり取りをする業種では、メールやLINEの問い合わせ対応が毎日積み重なります。「似た質問が毎回来るのに、毎回ゼロから書いている」という状況は、多くの店舗オーナーから聞く共通の悩みです。

AIを使うと、返信の下書きを数十秒で作れるようになります。さらに、よくある質問をFAQとして整備しておくと、対応スピードと品質が安定します。ただし、AIの文章はそのまま使えないことが多いので、調整のコツも含めて説明します。


返信の下書きをAIに作らせる

問い合わせ返信のプロンプト例です。

以下のお問い合わせへの返信メールを作成してください。

【問い合わせ内容】
「来週の土曜日に3名で予約を取りたいのですが、空きはありますか?
またコースの内容と料金も教えていただけますか?」

【店舗情報】
- 業種:居酒屋
- 予約方法:電話または公式LINEで受付
- 土曜日:18時〜と20時〜の2枠
- コース:2時間飲み放題付き4,000円(1名)

【文体の要件】
- 丁寧だけど堅すぎない
- 「〜でございます」は使わない
- 最後に電話番号かLINEへの誘導を入れる

文体の要件を入れることで、そのまま送れる返信に近づきます。最初は「少し固い」と感じることが多いので、「もう少しフランクに」「一文短くして」などで調整してください。


よくある質問をFAQとして整備する

毎回同じ質問が来るなら、FAQを作って対応を一元化できます。AIを使ったFAQ整備の流れです。

ステップ1:よくある質問を書き出す

過去のメール・LINEを見て、繰り返し来た質問を10〜20個リストアップします。

ステップ2:AIに回答文を作らせる

以下の質問に対するFAQ回答を作成してください。
業種:美容室
回答は2〜4文で、わかりやすくシンプルにまとめてください。

Q:カラーとカットを同日にできますか?
Q:子供連れでも大丈夫ですか?
Q:当日予約はできますか?
(以下、リストアップした質問を続けて貼る)

ステップ3:確認と加筆

AIが作った回答を確認して、「この店特有の条件」を加えます。「子供は〇歳以上から」「当日予約は18時まで受付」などはAIには書けないので必ず追記してください。

整備したFAQは、LINE返信のテンプレートとして使ったり、ホームページの「よくある質問」ページに掲載したりできます。


接客スクリプトのテンプレート整備

電話対応や来店時のスクリプトもAIで作れます。特に「新しいスタッフへの引き継ぎ」に役立ちます。

例:予約電話の受け答えスクリプト

整体院の受付スタッフが予約電話を受けるときの
対応スクリプトを作成してください。

含めてほしいシーン:
- 最初の挨拶と電話確認
- 予約希望日時を聞く
- 初回・リピートを確認する
- 症状・ご要望を聞く
- 予約確定の案内
- 電話終了の挨拶

文体:スタッフが実際に読み上げるため、自然な話し言葉で。

出来上がったスクリプトを印刷してレジ横に置いておくだけで、新人スタッフの対応品質が安定します。


うまくいかなかった点・気づき

AIが生成する返信文は「丁寧すぎる」ことが最大の問題です。「〜でございます」「〜いただけますと幸いです」が多用された文章は、実際の店舗の雰囲気と合わないことがあります。

最初から「〜でございますは使わないで」「3文以内で書いて」と指定するか、生成後に自分の言葉で書き直す箇所を決めておく方がスムーズです。

また、クレーム・トラブル対応の返信はAIに任せない方が安全です。「誠意が伝わる文章」はAIには難しく、余計な一言が加わってこじれる可能性があります。定型の問い合わせのみAIを使い、デリケートな案件は自分で書くという線引きが実用的です。


まとめ・次のステップ

問い合わせ対応のAI活用は、以下の順番で始めると無理がありません。

  1. 毎週来る定型の問い合わせを3〜5パターン選ぶ
  2. それぞれの返信プロンプトを作って下書き生成を試す
  3. 使えると感じたものをFAQ・テンプレートとして保存する

まず1つの問い合わせパターンから試してみてください。どうプロンプトを設計するか一緒に考えたい場合はご相談ください。