仕事でChatGPTなどの生成AIを使っていると、「あれ?そんなこと元の資料に書いてないのに……」という、AIの「知ったかぶり(ハルシネーション)」に困ったことはありませんか?

例えば、宇都宮市内の飲食店で「新しいスタッフ向けの接客マニュアル」をChatGPTに読み込ませて質問に答えさせようとしたら、いつの間にかAIが勝手に作った「架空のルール」をさも本当のことのように答えてしまう、といったトラブルです。

AIに仕事の資料を読み込ませて正しく回答してもらうには、ツールの特性を理解して使い分ける必要があります。

今回は、大人気のAIである「ChatGPT」の記憶機能と、Googleが提供する情報整理AI「NotebookLM」の決定的な違いについて、実際の使い分け例を交えて分かりやすく解説します。

なぜAIは「もっともらしい嘘」をついてしまうのか?

AIが嘘をついてしまう最大の理由は、彼らが「質問に対して、もっともらしい文章を確率的につなぎ合わせる機械」だからです。

特にChatGPTのような会話型のAIは、ユーザーとのキャッチボール(チャットの履歴)が長くなればなるほど、最初に読み込ませたマニュアルの内容を「忘れて」いってしまいます。AIの頭の中のメモ帳(記憶の容量)には限界があるため、古いやり取りから順番に忘れてしまい、足りない部分を自分の想像(知ったかぶり)で補ってしまうのです。

これに対して、「渡した資料の内容だけを、絶対に嘘をつかずに参照してほしい」という業務に特化して作られたのが、Googleの「NotebookLM」です。

会話の好みを覚える「ChatGPT」と、資料だけを見つめる「NotebookLM」

この2つのAIは、情報の覚え方や扱い方が根本から違います。

1. ChatGPTの「Memory(メモリ)機能」

ChatGPTのメモリ機能は、いわば**「あなたの好みをフワッと覚えてくれる相棒」**です。 「私は宇都宮市内で美容室を経営しています」「専門用語は使わずに、小学生でもわかる言葉で説明してください」といった、ユーザーの背景や対話の「ノリ・トーン」を記憶します。 アイデアを出したり、ブログの構成案を考えたりする「ゼロからイチを生み出す」クリエイティブな作業に向いています。

2. NotebookLMの「ソース固定」

NotebookLMは、いわば**「渡された教科書しか見ない超真面目な優等生」です。 PDFやGoogleドキュメント、ウェブサイトのURLなどをアップロードすると、その資料をがっちりと固定(グラウンディング)します。 そして何より素晴らしいのは、回答の語尾に「この情報は資料の〇ページ目のここに書いてありました」という引用元(ソース)へのリンク**を必ず表示してくれる点です。資料に書いていないことは「書かれていません」と正直に答えるため、嘘を最小限に抑えられます。

宇都宮の地元ビジネスで試してみた!具体的な使い分けシーン

地元の中小事業者のみなさんが日々の業務で使う場合、以下のように切り分けると作業が劇的にスムーズになります。

【ChatGPTが活躍するシーン】新規イベントの企画やチラシのアイデア出し

  • シチュエーション:宇都宮駅近くの居酒屋で、秋の「餃子と地酒祭り」のキャンペーンチラシのキャッチコピーを作りたいとき。
  • 使い方:ChatGPTに「ターゲットは地元の会社員。元気で親しみやすいトーンで、SNSで話題になりそうなハッシュタグも5つ考えて」と頼みます。ここではAIの適度な「創造性(ブレスト力)」が活きます。

【NotebookLMが活躍するシーン】社内規定の確認やマニュアル検索

  • シチュエーション:建設会社や小売店で、ぶ厚い「就業規則」や「機材の操作マニュアル」から特定のルールを調べたいとき。
  • 使い方:NotebookLMに就業規則のPDFを丸ごと放り込みます。「スタッフが忌引休暇を取る場合、何日間の有給が認められますか?」と質問すると、数秒で「就業規則の第12条に基づき、3日間です」と、根拠となる箇所を指し示しながら答えてくれます。人間が分厚い冊子をめくって探す手間がゼロになります。

嘘をシャットアウトする「NotebookLM」の使い方の手順

実際にNotebookLMを使って、社内マニュアルをAIに「完全記憶」させる手順を紹介します。

  1. NotebookLMにアクセスする Googleアカウントがあれば、誰でも無料で使えます。「NotebookLM」と検索してログインします。
  2. 「新しいノートブック」を作成する プロジェクトごとのフォルダを作るイメージです。例えば「接客マニュアル2026」という名前でノートブックを作ります。
  3. 資料(ソース)を追加する 「ソースの追加」ボタンを押し、お手持ちのマニュアル(PDFやWord、Googleドキュメントなど)をアップロードします。
  4. AIに質問する 画面下のチャット欄に質問を入力します。

実際に使えるプロンプト(指示文)の例

プロンプト例: 「今回アップロードした接客マニュアルに基づいて、新人スタッフから『お客様から領収書を求められたらどう対応すればいいですか?』と聞かれたときの回答を、丁寧な言葉遣いで3ステップで教えてください。必ずマニュアル内の記載のみを根拠にし、書いていない手順は勝手に追加しないでください。」

このように指示すると、NotebookLMは他の余計なネット情報やAIの想像を一切混ぜず、あなたが用意したマニュアルの言葉だけを使って、完璧なマニュアル回答を作成してくれます。回答には「マニュアルの3ページ目の『領収書発行手順』より」といったリンクが付くため、ファクトチェック(事実確認)が1秒で終わります。

まとめ

生成AIは、どれか1つだけを万能ツールとして使うのではなく、作業の目的に合わせて使い分けるのが賢い方法です。

  • ChatGPT:新しいアイデアや、読者を惹きつける文章を作りたい「攻め」の業務に。
  • NotebookLM:ルールやマニュアルに基づいて正確な情報を探し出したい「守り」の業務に。

ぜひ、日々のオフィスワークや店舗運営に眠っている「マニュアルの束」をNotebookLMに読み込ませて、あなた専用の「絶対に嘘をつかない優秀なアシスタント」を作ってみてください。業務の効率が驚くほどアップするはずです。

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